【ニュース/2026/8/10】鎌倉 四万六千日|一日のお参りが126年分になる、観音さまの大功徳日

2026年7月28日

※画像は長谷寺公式サイトより引用

2026年8月10日(月)、鎌倉のお寺が夜明け前から灯りをともします。

この日は「四万六千日(しまんろくせんにち)」と呼ばれる観音さまの大功徳日で、一度お参りするだけで四万六千日分、およそ126年分のご利益をいただけると伝えられてきました。

鎌倉では杉本寺・安養院・長谷寺の三か寺が、それぞれ真夜中から早朝にかけて特別に門を開きます。

提灯の灯りとお経の声のなかを歩く、一年に一度きりの夏の夜。その過ごし方をご案内します。

開催概要

  • 開催日:2026年8月10日(月)
  • 会場:杉本寺(鎌倉市二階堂)/安養院(鎌倉市大町)/長谷寺(鎌倉市長谷)
  • 杉本寺:開門0時、閉門16時。6時から大護摩供と三十三観音経読誦、10時から大法要
  • 長谷寺:開門4時。観音堂にて8時まで僧侶による読経
  • 安養院:例年は5時開門(9時頃まで自由拝観)。2026年の詳細は寺務所へご確認ください
  • 拝観料:長谷寺は当日朝4時〜8時は無料拝観。杉本寺・安養院は通常拝観料に準じます(当日の扱いは事前確認をおすすめします)
  • 主催:各寺院
  • テーマ:一日の参詣が四万六千日分の功徳になる、観音菩薩の大功徳日

「四万六千日」とは。一日が126年分になる不思議な縁日

神さま仏さまには、それぞれご縁の深い「縁日」があります。

観音菩薩の場合は毎月18日がその日にあたり、この日にお参りすると普段よりも大きなご利益をいただけると信じられてきました。

さらに日本では、その縁日のなかでも特別に功徳が大きい「功徳日」という考え方が生まれます。

長谷寺の説明によれば、元禄時代のころから8月10日が功徳日とされ、この日にお参りすると四万六千日分のご利益があると言われるようになりました。

では、なぜ「四万六千」という半端な数字なのでしょうか。

これには白米一升がおよそ四万六千粒であることに由来し、「一升」と「一生」をかけて、一生食べるものに困らず、息災に過ごせるという願いが込められている、という説が伝えられています。

四万六千日は日数にすると約126年。当時の人にとっては、まさに一生分そのものだったわけです。

お米の粒に一生の無事を重ねた昔の人の発想は、なんとも日本らしくて、聞くたびに少し胸があたたかくなります。

お米一粒に一日分のご利益がこもってるって考えたら、ごはんが食べられなくなりそうだみぃ!!
一升と一生をかけるなんて、昔の人はおしゃれだみぃな〜♪

なお「四万六千日」という呼び名そのものは、江戸・浅草寺で定着したものと伝えられています。

浅草寺のほおずき市は旧暦にならわず7月9日・10日に行われますが、鎌倉の各寺は月遅れの8月10日を四万六千日としています。

同じ行事でもお寺によって日付が違うのは、明治の改暦をどう受け止めたかの差。お参りの前に日付を確かめておきたい理由がここにあります。

鎌倉の四万六千日は「三か寺めぐり」。坂東三十三観音の1番・3番・4番が同じ夜に開く

鎌倉の四万六千日がほかの土地と少し違うのは、複数のお寺が申し合わせたように時間をずらして門を開くところです。

しかもその三か寺は、いずれも関東一円をめぐる巡礼路「坂東三十三観音」の札所。

杉本寺が第1番、安養院が第3番、長谷寺が第4番と、番号の若い札所が鎌倉に集中しているのです。

坂東三十三観音は、源頼朝の観音信仰と、源平の戦いで西国三十三所の巡礼を知った武士たちの体験が結びついて、鎌倉時代初期に開かれたと伝えられています。

つまり8月10日の鎌倉は、800年以上前にはじまった巡礼のスタート地点が、一斉に灯りをともす夜でもあるのです。

杉本寺(坂東第1番)|0時開門、真夜中の苔石段

※画像は杉本寺公式Instagramより引用

金沢街道沿いに建つ杉本寺は、鎌倉でもっとも古いお寺とされる古刹です。

本堂には行基・慈覚大師円仁・恵心僧都源信という三人の高僧の手によると伝わる三体の十一面観音が並び、坂東三十三観音の第1番札所として、今も巡礼者の出発点になっています。

四万六千日大祭の日、杉本寺は深夜0時ちょうどに開門します。

午前6時からは大護摩供と三十三観音経の読誦、午前10時からは大法要が厳修され、閉門は16時。

真っ暗な金沢街道にぼんやりと浮かび上がる山門、ライトアップされた仁王像、そして無数のろうそくが揺れる本堂内陣。

普段の杉本寺を知っている人ほど、この夜の光景には言葉を失うはずです。

0時開門って、お寺の行事でいちばん早いんじゃないかみぃ!?
有名な苔の石段は立ち入り禁止だから、左の階段からゆっくり登るみぃ♪

安養院(坂東第3番)|北条政子ゆかりの田代観音

※画像は鎌倉観光公式ガイドより引用

鎌倉駅から名越方面へ歩いた大町にある安養院は、5月のツツジで知られるお寺です。

「安養院」という寺名は、北条政子の法名からとられたもの。

政子が夫・源頼朝の菩提を弔うために建てた長楽寺が焼失し、この地の善導寺跡へ移されたことが、いまの安養院の成り立ちと伝えられています。

札所本尊の千手観音は、頼朝・義経に仕えた武将・田代信綱ゆかりの田代寺から移された「田代観音」。

政子がこの観音さまに祈ったからこそ頼朝と結ばれた、という言い伝えから、良縁観音・昇竜観音とも呼ばれ、縁結びを願う人がお参りに訪れます。

四万六千日の当日のみ、AM5時00分~AM9時00分まで無料

三か寺のなかでは最後に開くお寺なので、夜通し歩く場合はここを締めくくりに置くのが定番です。

長谷寺(坂東第4番)|4時開門、8時まで続く観音堂の読経

※画像は長谷寺公式Instagramより引用

長谷寺の四万六千日は「四萬六阡日大功徳日」と表記されます。

公式の案内によれば、2026年は8月10日(月)午前4時に開門し、観音堂では午前8時まで僧侶の読経が続けられます。

なお朝4時から8時までは拝観料が無料となっており、この時間帯にあわせてお参りする方が多いお寺です。

ご本尊は像高9.18メートル、木造の仏像としては日本最大級とされる十一面観世音菩薩。

参拝された方には観音堂前でご本尊のお姿をあらわした「御身影(おみえ)」が授けられ、堂内の朱印所ではこの日だけの特別紙朱印が用意されます。

どちらも数量限定のため、早い時間ほど確実です。

また2026年は、この行事に限り駐車場が4時から利用できるものの、本年より駐車料金が有料になる旨が公式に告知されています。

読経の続く境内から由比ヶ浜の空がゆっくり白んでいく時間帯は、この日にしか味わえない長谷寺の顔です。

4時から8時は拝観料無料だから、この時間を狙ってお参りする人が多いみぃ!!
御身影も特別朱印も数量限定だから、早めの到着がおすすめだみぃ♪

同じ夜、覚園寺では「黒地蔵縁日」。鎌倉の8月10日がもうひとつ濃くなる理由

※画像は覚園寺公式Instagramより引用

実は鎌倉の8月10日には、観音さまの四万六千日と並んでもうひとつ、大切な縁日が重なっています。

二階堂の谷戸の奥にある覚園寺の「黒地蔵縁日(黒地蔵盆)」です。

公式の案内によれば、8月9日の夜半過ぎから10日正午まで、黒地蔵尊が亡くなられた方々へ私たちの気持ちや願いを運び届けてくださる縁日として、施餓鬼法要が営まれます。

新盆を迎えた方が三年続けてこの縁日に参拝供養すると、亡くなられた方は必ず成仏なさると伝えられ、毎年多くの参拝者が訪れます。

ご本尊の地蔵菩薩立像は国の重要文化財で、別名「火焚き地蔵」。

地獄に落ちて火責めにあう人々を見過ごせず、自ら獄卒に代わって火を焚き、その加減をして苦しみを和らげたために全身が黒くなった、という言い伝えを持つお地蔵さまです。

施餓鬼供養の卒塔婆は1基3,000円で、メールフォームによるweb受付は8月8日正午が最終締切。それ以降は当日、千体堂の特別施餓鬼受付所で申し込むかたちになります。

そして2026年(令和8年)の覚園寺は、行事の準備とお盆、猛暑を考慮して8月は境内の拝観を休止すると公式に発表しています(御朱印は対応)。

つまりこの夏、覚園寺の谷戸に入れるのは実質8月10日のこの縁日だけ、ということになります。

覚園寺は8月お休みだから、この日がとっておきの一日だみぃ♪
参拝者用の駐車場はないから、歩いていく前提で計画するみぃな〜

逗子・岩殿寺にも四万六千日。湘南に広がる観音信仰

四万六千日は鎌倉市内だけの行事ではありません。

坂東三十三観音の第2番札所である逗子・久木の岩殿寺も、年中行事として8月10日に四万六千日を掲げています。

養老五年(721年)の開創と伝わる古刹で、鎌倉の長谷寺(天平八年・736年開創)よりもさらに15年さかのぼる計算になります。

観音堂の裏手には寺名の由来となった岩窟の奥の院があり、石段の途中からは逗子湾と葉山の山並みが望めます。

山門脇には泉鏡花の句碑も立ち、文学散歩としても知られる場所です。

鎌倉の三か寺をめぐったあと、名越切通の向こう側までもう一歩足を伸ばす。そんな湘南ならではの巡り方も楽しめます。

当日の巡り方とモデルコース

開門時間がお寺ごとに違うので、順路はおのずと決まってきます。

  • 8月9日 深夜0時前後:覚園寺(黒地蔵縁日)でお参り
  • 深夜1時〜2時ごろ:徒歩15〜20分ほどで杉本寺へ移動。大護摩供を待たずに一度お参りするならこの時間帯
  • 午前4時〜:長谷寺の開門にあわせて移動。無料拝観の時間帯でもあり、観音堂の読経のなかで夜明けを迎える
  • 午前5時〜9時ごろ:安養院で締めくくり
  • 朝の法要重視なら、杉本寺の大護摩供(6時)と大法要(10時)にあわせて日中に回る組み立てもおすすめ

深夜から早朝にかけての参拝になるため、無理のない計画を立てるのが何より大切です。

金沢街道も二階堂の谷戸も街灯が少なく、足元は暗くなります。歩きやすい靴と小さな明かりを用意してください。

境内は自然が豊かで、雨のあとはぬかるむこともあります。濡れてもいい履き物が安心です。

また8月の鎌倉は深夜でも湿度が高く、水分補給を忘れると思いのほか体力を削られます。

各寺とも法要が営まれる場です。写真撮影の可否や堂内でのふるまいは、現地の案内に従いましょう。

全部まわらなきゃ、なんてことはないみぃ!!
一か寺だけでも四万六千日分。無理せず楽しむのがいちばんだみぃ♪

アクセス情報

杉本寺

  • 住所:神奈川県鎌倉市二階堂903
  • JR鎌倉駅東口から京急バス(金沢八景・鎌倉霊園正面前太刀洗方面)で「杉本観音」下車すぐ
  • 鎌倉駅から徒歩の場合は約30分
  • 通常拝観料:高校生以上300円、中学生200円、小学生100円

安養院

  • 住所:〒248-0007 神奈川県鎌倉市大町3丁目1-22
  • JR鎌倉駅東口から徒歩約10〜13分
  • 京急バス「名越」下車徒歩約1分

長谷寺

  • 住所:神奈川県鎌倉市長谷3-11-2
  • 江ノ島電鉄「長谷」駅から徒歩約5分
  • 通常拝観料:大人400円、小学生200円(当日朝4時〜8時は無料)
  • 駐車場は約30台。四万六千日当日は4時から利用可能ですが、2026年より有料

覚園寺

  • 住所:神奈川県鎌倉市二階堂421
  • JR鎌倉駅東口から京急バス「大塔宮(鎌倉宮)」下車、徒歩約10分
  • 参拝者用の駐車場はありません。周辺のコインパーキングを利用するか、徒歩でのお参りを

岩殿寺(逗子)

  • 住所:神奈川県逗子市久木5-7-11
  • JR逗子駅・京急逗子葉山駅から徒歩圏内
  • 入山料100円、納経時間8時〜17時

夜通し歩く方は、終電と始発の時間も確認しておくと安心です。

深夜帯のバスは動いていないため、鎌倉駅から二階堂方面へは徒歩移動が基本になります。

お参りのあとは、長谷なら江ノ電の線路沿いを由比ヶ浜まで歩いてみてください。

早朝の海岸は驚くほど静かで、夜通しのお参りで火照った体に潮風がよく効きます。

長谷の参道には創業から続く和菓子店もあり、朝の散策のご褒美にちょうどよい寄り道になります。

ちなみに8月10日の直前、8月6日から9日にかけては鶴岡八幡宮の「ぼんぼり祭」が行われます。

9日の夕暮れに参道のぼんぼりを眺めてから、そのまま日付が変わるのを待って四万六千日詣りへ。鎌倉の夏がもっとも密度を増すのが、この数日間です。

なお開門時間や拝観料の扱いは年によって変わることがあります。お出かけ前に各寺の公式サイトでの確認をおすすめします。

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