2026年9月3日
※画像はイベント公式サイトより引用
神奈川県でいちばん面積の小さな町が、一年でいちばん熱くなる夜がやってきます。
2026年9月12日(土曜日)、足柄上郡開成町で「第39回 開成町阿波おどり」が開催されます。
今年の見どころは、昨年休止していたコンテストが2年ぶりに復活すること。
町内外あわせて17の連、約800人の踊り手が役場周辺の道路を埋めつくす一夜を、背景のストーリーからアクセス情報までまとめてご紹介します。
目次
第39回 開成町阿波おどりの開催概要
- 開催日時:2026年9月12日(土曜日)16:30~20:30 ※雨天決行
- 会場:開成中央通り、県道201号線、開成町役場北側臨時駐車場(役場周辺に全6つの演舞場)
- 入場料:無料(沿道から自由に観覧できます)
- 主催:開成町阿波おどり実行委員会(実行委員会会長は山神裕町長)
- テーマ:おどる、つながる、もりあがる
- 参加規模:町内外17連、約800人の踊り手(予定)
湘南エリアからは小田急線一本でアクセスできる距離感なので、「夕方から出かけて夜には帰れるお祭り」として狙い目です。
16時半スタートだから、お昼から開成町をぶらぶらして夕方に合流するのがちょうどいいみぃ♪
きっかけは大和市の熱気だった|1988年、開成町に阿波おどりが根づいた理由
徳島発祥の阿波おどりが、なぜ神奈川県西部の小さな町で39回も続いているのでしょうか。
報道によれば、始まりは当時の町長が、阿波おどりの盛んな大和市の盛り上がりに感銘を受けたことでした。
そして町民の結束を目的として、1988年(昭和63年)に第1回が開催されます。
興味深いのは、開成町がまとめた町の年表を見ると、この1988年という年に「自治会制度発足」と「第1回開成秋まつり(阿波おどり)開催」が並んで記されていることです。
同じ年には足柄大橋が開通し、第1回あじさい祭りも開かれています。
つまり阿波おどりは、町が「地域のまとまり」を意識してかたちを整えていった、まさにその瞬間に生まれた祭りだったということになります。
いまも連が自治会や事業所ごとに組まれているのは、この出自をそのまま引き継いでいるからです。
増え続ける町だからこそ、踊りが必要だった
開成町の総面積は6.55平方キロメートルで、神奈川県内でもっとも面積の小さな町です。
一方で人口は、町が誕生した1955年(昭和30年)の国勢調査で4,633人だったものが、2020年(令和2年)には18,329人にまで増えました。
1985年(昭和60年)に小田急線68番目の駅として開成駅が開業して以降、住宅地としての開発が一気に進んだためです。
2015年から2020年にかけての人口増加率は7.7パーセントで、これは県内市町村でもっとも高い数字でした。
新しく移り住む人が増え続ける町では、放っておいても「町民の結束」は生まれません。
毎年9月、同じ通りで肩を並べて踊るという習慣が、39年かけて古くからの住民と新しい住民をつないできたのだと考えると、この祭りの見え方が少し変わってくるはずです。
お祭りが「町のつながり」そのものだったなんて、なんだかグッとくるみぃな〜
2026年の最大トピック|2年ぶりに復活する「コンテスト」
第39回でいちばん注目されているのが、演舞の出来栄えを競い合うコンテストの復活です。
一昨年まで恒例だったこのコンテストは、昨年(第38回)はいったん休止されていました。
背景にあったのは、踊り手不足という切実な課題です。
新たな参加者を確保しなければならない状況のなかで、「競い合いがあると初心者は気軽に参加しにくいのではないか」という声が上がり、休止という判断に至りました。
しかし実行委員会は、目標を持つことが踊り手の技術やモチベーションの向上につながる面もあると考え、今年の再開を決めています。
入りやすさを取るのか、高め合う場を取るのか。
その両方を欲張ったうえで出された答えが今年のコンテスト復活だと思うと、演舞場に立つ連の表情の見え方も変わってきます。
賞は「町らしさ」の見本市
コンテストの賞のラインナップにも、この祭りが町ぐるみで支えられていることがよく表れています。
- 最優秀賞(開成町阿波おどり賞)
- 優秀賞(開成町工場会賞)
- 奨励賞(さがみ信用金庫賞)
- 審査員特別賞(開成町飲食店組合賞、日本製紙クレシア賞、開成水辺フォレスト・スプリングス賞、湯本富士屋ホテル賞、門屋食肉商事賞、小田原コロナワールド賞、開成町賞)
町の工場会、飲食店組合、地元金融機関、そして町内に工場や施設を構える企業の名前がずらりと並びます。
賞の名前を眺めるだけで、開成町という町の産業のかたちが見えてくるのが面白いところです。
2年ぶりのコンテストだみぃ!! 踊り手さんたち、絶対に気合い入ってるミー♫
当日のコンテンツ・見どころ
開成町阿波おどりは、大きく分けて4つのパートで進行します。
オープニングパレード|全連が一度に見られる贅沢な時間
祭りの幕開けは、子どもを先頭に全連が流し踊りを披露するオープニングパレードです。
かいせい演舞場から北演舞場へと向かって進むこのパレードは、参加するすべての連を一度に見られる貴重な時間帯にあたります。
町内の各連で構成される開成町阿波おどり連協会の矢澤友美会長も、オープニングパレードと総おどりは開成町ならではのものだと語っています。
初めて訪れるなら、まずはここを押さえるのが確実です。
路上おどり|6つの演舞場をハシゴする
パレードのあとは、役場周辺に設けられた6つの演舞場で、各連が日ごろの練習の成果を披露する路上おどりが始まります。
それぞれの演舞場にはキャラクターがあり、目的によって選び分けられるのがこの祭りの楽しいところです。
- かいせい演舞場:コンテストの舞台。各連の本気の演舞を見るならここ
- あじさい演舞場:コンテスト会場の直前にあたる位置。穴場になりやすい
- 北演舞場:模擬店やコンビニが近く、食べ歩きしながら観覧しやすい
- 役場演舞場:福祉席が設けられる演舞場。路線バス停留所からも近い
- しいがし演舞場:開成駅方面から歩いてきた場合の最寄り
- 四ツ角にわか演舞場:観客が飛び入りで参加できる演舞場
なお各演舞場の特徴は近年の公式案内をもとにしたものなので、当日の配置や役割は公式サイトの会場図で最終確認してください。
にわか演舞場|見るだけでなく、踊る側にまわれる
四ツ角に設けられるにわか演舞場は、飛び入り参加が大歓迎の場所です。
浴衣も法被も持っていなくて構いませんし、踊りを知らなくても大丈夫です。
「町民の結束のために始まった祭り」に、訪れた側からも一歩踏み込める仕掛けがきちんと用意されているのは、この祭りの懐の深さだと思います。
総おどり|全連が一斉に踊るフィナーレ
クライマックスは、6つの演舞場すべてで全連が一斉に踊りだす総おどりです。
お囃子の音が町じゅうで重なり合い、小さな町が文字どおり一体になる数分間は、この祭りでもっとも密度の高い時間帯といえます。
そしてその直後に、復活したコンテストの順位が発表されます。
にわか演舞場なら手ぶらで踊れるみぃ♪ 見てるだけじゃもったいないミー!!
当日のタイムスケジュール
公式サイトに掲載されている進行は以下のとおりです。
- 16:30 開式(かいせい演舞場)
- 16:45 オープニングパレード開始(かいせい演舞場~北演舞場/17:20頃終了予定)
- 17:30 路上おどり開始(全6演舞場)
- 17:30~19:30 コンテスト(かいせい演舞場)
- 20:10 路上おどり終了
- 20:15 総おどり開始(全6演舞場で全連が一斉に踊ります)
- 20:25 総おどり終了、コンテスト順位発表
公式サイトでも案内されているとおり、タイムスケジュールは当日の状況によって変動する場合があります。
町を彩る17の連
今年参加を予定しているのは、町内連と町外連をあわせた17の連です。
町内連は上島紫粋連、中家村みどり連、上延沢連、円中連、下延沢お喜楽連、下嶋連、牛島連、金井島浮世連、宮台連、やまゆり連。
町外連は笑星連(大和)、南粋連(町田)、横濱浜風(横浜)、天狗連(高円寺)、壱粋(東林間)、東林間連(東林間)、山北忍粋連(山北)が名を連ねます。
連の名前が「上島」「金井島」「下延沢」といった町内の地区名そのものになっているのがわかるでしょうか。
1988年に自治会制度と同時に生まれた祭りだからこそ、連の名簿がそのまま町の地図になっているのです。
また、大和や高円寺といった阿波おどりの盛んな土地の連が加わることで、地元の連とはひと味違う洗練された踊りも同時に楽しめます。
なお公式サイトは第39回の内容を随時更新中のため、最終的な出演連と各演舞場の出演時刻は公式サイトでご確認ください。
アクセス・交通規制・駐車場情報
会場は開成町役場(足柄上郡開成町延沢773)の周辺一帯です。
電車・バスでのアクセス
- 小田急小田原線「開成駅」から徒歩約20分(しいがし演舞場が最寄り)
- 小田急小田原線「新松田駅」から徒歩約25分
- 新松田駅から箱根登山バス「関本行き」に乗車し、「四ツ角」バス停下車すぐ
無料シャトルバスについては、運行される年と運行されない年があります。
昨年の第38回では運行が見送られているため、今年の運行有無は必ず公式サイトのアクセスページで最新情報を確認してからお出かけください。
車でのアクセスと臨時駐車場
- 臨時駐車場は「松ノ木河原多目的広場」と「明治ゴム駐車場」の2か所
- 開場は15:30、閉鎖は21:00
- 近隣店舗などへの駐車は固く断られています。必ず臨時駐車場を利用してください
- 駐車台数には限りがあるため、公共交通機関の利用が推奨されています
当日は役場周辺の町道と県道が広範囲にわたって交通規制の対象になります。
規制の範囲と時間帯は公式サイトのアクセスページに図で掲載されているので、車で向かう方は事前に必ず目を通しておくことをおすすめします。
ごみの持ち帰りにご協力を
実行委員会は、来場者に対してごみの持ち帰りを呼びかけています。
賑わいが増すにつれて大量のごみが出るようになり、毎年それを町内企業などのボランティアが片付けているのが実情です。
39年続いてきた祭りを次の40回、50回へとつないでいくためにも、来場者側でできる小さな協力から始めたいところです。
ごみは持ち帰りだみぃ♪ みんなで守れば、来年もまた気持ちよく踊れるミー♫
昼間から楽しむなら、開成町のこのあたり
開催が16:30からなので、昼過ぎに到着して町を歩いてから合流するのがおすすめの過ごし方です。
会場から足をのばせる範囲に、開成町らしいスポットがいくつもあります。
- あしがり郷 瀬戸屋敷:この地域の名主を代々務めた瀬戸家の屋敷。約1,800坪の敷地に茅葺の主屋や土蔵が残り、町の重要文化財第1号に指定されています
- 開成水辺スポーツ公園:酒匂川のほとりの総合スポーツ公園。関東で最初のコースが設けられたパークゴルフ場があります
- あじさいの里:6月には水田地帯に約5,000株のあじさいが咲く、開成町を代表する風景。9月は静かな田園散歩が楽しめます
瀬戸屋敷の周辺には瀬戸酒造店もあり、町歩きのついでに立ち寄る人が多いエリアです。
営業時間や定休日は各施設の公式情報でご確認ください。
撮った1枚は、フォトコンテストに応募できます
開成町では「開成町観光フォトコンテスト」が毎年開催されており、阿波おどりも応募対象のひとつです。
2026年度は、令和8年1月1日から11月30日までに町内で撮影した作品が対象となっています。
応募は一人5点までで、締切は令和8年12月7日(月)17時(当日消印有効)です。
主催は開成町あじさいまつり実行委員会で、開成町阿波おどり実行委員会も後援に名を連ねています。
問い合わせ先は開成町産業振興課(電話0465-84-0317)です。
踊り手の躍動を追いかけるのもよし、提灯に照らされた沿道の空気を切り取るのもよし。
カメラを持っていく理由がひとつ増えるはずです。
39年目の「おどる、つながる、もりあがる」
実行委員会会長を務める山神裕町長は、「おどる、つながる、もりあがる」をテーマに17連が目一杯踊ると語り、開成町がいちばん熱くなる夜を一緒に楽しんでほしいと呼びかけています。
連協会の矢澤会長も、町外から参加する連からも楽しみにする声が寄せられているとして、町内外の皆さんが笑顔で終われる一日にしたいと話しています。
踊り手不足という課題を抱えながらも、コンテストという「高め合う場」を選び直した39回目。
そこには、1988年に「町民の結束のために」と踊り始めた人たちの気持ちが、かたちを変えながらまだ生きています。
2026年9月12日、日が落ちるころの開成町へ。
お囃子が聞こえてきたら、あとは足が勝手に動き出すはずです。
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