2026年9月1日
※画像は小田原市公式サイトより引用
小田原市の東のはずれ、御殿場線の下曽我駅を降りると広がるのが「曽我の里」です。
春には一面の梅林で知られるこの土地に、2026年9月27日(日)、5台の山車と神輿が集まります。
舞台となるのは、長元元年(1028年)創建と伝わる曽我郷の総鎮守、宗我神社です。
五穀豊穣を願う祭礼は午前10時から午後3時頃まで。境内でのお宮入りから、午後の下曽我駅前でのお囃子の競演まで、一日をかけて里全体がゆっくりと動いていきます。
目次
宗我神社祭礼2026の開催概要
- 開催日時:2026年(令和8年)9月27日(日)午前10時〜午後3時頃
- 会場:宗我神社(神奈川県小田原市曽我谷津386)ほか、曽我地区各所および下曽我駅前
- 入場料:見学自由(公式に観覧料の案内はありません)
- お問い合わせ:宗我神社宮司 電話0465-42-1282/小田原市経済部観光課 電話0465-33-1521
- テーマ:五穀豊穣を願う、曽我郷六ヶ村の総鎮守の祭礼
- 交通:JR御殿場線 下曽我駅から徒歩約10分
宗我神社の祭礼は、例年9月最終日曜日に行われている例大祭です。
大きな会場を設けて人を集めるタイプのイベントではなく、地区の暮らしの延長線上にある「里の祭り」であることが、この日の空気をつくっています。
曽我って梅のイメージが強かったみぃ♪
奈良から東国へ、千年をこえて続く「宗我」の名前
宗我神社の歴史をたどると、話は神奈川を飛び出して奈良まで届きます。
もともとこの地には、地元の人々が崇拝していた小沢大明神が祀られていました。
そこへ長元元年(1028年)、大和国高市郡(現在の奈良県橿原市)の式内社・宗我坐宗我都比古神社の神官だった宗我播磨守保慶という人物がこの地に下り、祖先である宗我都比古命の御霊を分霊して社を創建したと伝えられています。
つまり、古代に大和で栄えた蘇我氏の流れをくむ祖神が、はるばる東国のこの土地に迎えられたということになります。
「曽我」という地名そのものが、この神社と同じ根を持っているわけです。
それから百数十年ほど後、曽我郷を拠点とした武家・曽我氏の曽我祐信が、これらを合祀するかたちで神社を再興したと伝わります。
曽我祐信は、日本三大仇討ちのひとつとして知られる曽我兄弟の養父にあたる人物です。
奈良の蘇我氏がルーツで、曽我兄弟ともつながってるなんて、話が壮大すぎるみぃな〜!!
六つの村がひとつになった、曽我郷の総鎮守
江戸時代、この社は「小沢明神社」と呼ばれ、小田原藩主となった北条氏、稲葉氏、大久保氏から相次いで崇敬を受けてきました。
現在の「宗我神社」という名前になったのは、明治に入ってからのことです。
上曽我、曽我大沢、曽我谷津、曽我岸、曽我原、曽我別所という曽我郷六ヶ村それぞれの鎮守をこの社に合祀し、曽我の里全体の総鎮守として新たに歩みはじめました。
祭礼で5台の山車がそれぞれ別の地区から出てくるのは、この「六ヶ村がひとつになった」という成り立ちの名残でもあります。
山車が境内に横一列に並ぶ光景は、かつて別々だった村々が一年に一度、同じ場所に集まる姿そのものだと言えるでしょう。
なお、現在の社殿は大正12年(1923年)の関東大震災のあとに復興したものと小田原市は説明しています。
当日のコンテンツ・見どころ
午前:それぞれの地区を巡る山車と神輿
午前中は、各地区の山車5台と神輿1基が、それぞれの地区を回ります。
畑やみかん畑、住宅が混じる里の道を、お囃子の音を響かせながら山車が進んでいく時間です。
この段階では観光的な「会場」があるわけではないため、道すがら偶然出会うような形になります。
祭りの生活感を味わいたい方は、早めに現地に着いて里を歩いてみるのがおすすめです。
午前11時頃:猿田彦を先頭にしたお宮入り
午前11時頃、祭りは最初の山場を迎えます。
道案内の神である猿田彦を先頭に、山車と神輿が次々と宗我神社へお宮入りしていきます。
境内に入った山車と神輿は、横一列に並びます。
この並んだ状態は、彫刻や飾りをじっくり見比べられる貴重な時間でもあります。
地区ごとに山車の意匠が異なるので、細部を追いかけていくだけでも見ごたえがあります。
お宮入りの11時頃は絶対に見逃せないタイミングだミー♫
境内での奉納:高砂の人形と里神楽
お宮入りのあと、1台の山車には高砂の人形が飾られます。
高砂は、老夫婦の姿で長寿と夫婦円満をあらわす、能でもおなじみの縁起のよい主題です。
この人形を掲げた山車の前で、お囃子と舞が神前に奉納されます。
また、神楽殿では里神楽が催されると伝えられており、境内はしばらくのあいだ音と舞に満たされます。
五穀豊穣を願うという祭礼の本来の目的が、もっともはっきりと形になる時間帯です。
午後:クライマックスは神社ではなく「下曽我駅前」
この祭りがほかの神社祭礼と少し違うのは、一日の締めくくりが境内ではないところです。
午後になると、猿田彦の万灯を先頭に、山車と神輿が連なって神社を出発します。
向かう先は、里の玄関口であるJR下曽我駅です。
午後3時頃、駅前に山車が再び横一列に並び、お囃子の競演が行われます。
神社の杜ではなく、無人に近い小さな駅の前に山車がずらりと並び、笛と太鼓が競い合う。
この光景こそが、宗我神社祭礼のもっとも印象的な場面だと言われています。
電車で訪れた人にとっては、帰り道がそのまま祭りのフィナーレになるという、うれしい構造でもあります。
駅前がラストシーンなんて粋だみぃ!! 帰りの電車まで祭り気分でいられるみぃ♪
神輿の巡行は4年に1度
神輿の渡御そのものは、江戸時代から続く古い儀式です。
ただし現在は、神社の神輿渡卸は4年に1度、閏年に本格的な巡行を行う形になっていると小田原市は説明しています。
2026年は閏年にあたらないため、神輿に関する内容は年によって規模が変わる可能性があります。
細かな進行が気になる場合は、事前に宗我神社または小田原市観光課へ確認しておくと安心です。
芥川賞作家・尾崎一雄が生まれた神社
宗我神社を訪れるなら、ぜひ大鳥居のあたりにも目を向けてみてください。
ここには、作家・尾崎一雄の文学碑が建っています。
尾崎一雄(1899〜1983)は、この宗我神社の神主の家に生まれた人物です。
昭和12年(1937年)に第5回芥川賞を受賞し、昭和53年には文化勲章も受章した、昭和を代表する私小説家のひとりです。
病を得たのちは故郷の下曽我で闘病生活を送り、それ以降の作品には、虫や草といった身近な自然に目を向けたものが多く見られるようになりました。
文学碑に刻まれているのは、下曽我から見える富士の姿を書いた「虫のいろいろ」の一節です。
祭りの喧騒のなかで、その静かな一文に足を止めてみると、この土地の時間の層がぐっと立ち上がってくるはずです。
お囃子を聞いたあとに文学碑を読むと、なんだかしみじみしちゃうみぃな〜
アクセス・会場周辺情報
電車でのアクセス
- JR御殿場線「下曽我駅」から徒歩約10分
- 下曽我駅へは、JR東海道線「国府津駅」で御殿場線に乗り換えるのが一般的なルート
- 御殿場線は本数が限られるため、あらかじめ時刻を調べておくと安心
ここでひとつ、地元の人以外がつまずきやすい注意点があります。
国府津駅はJR東日本(Suicaエリア)ですが、御殿場線の下曽我駅はJR東海(TOICAエリア)にあたります。
エリアをまたぐ利用ができないため、SuicaやPASMOでは下曽我駅の改札を通れません。
出発駅であらかじめ下曽我までの切符を購入しておくのが確実です。
ICカードが使えないのは要注意だミー!! 切符は先に買っておくのが正解みぃ♪
車でのアクセス・駐車場
- 東名高速道路「大井松田IC」から曽我地区まで車で約15分
- 宗我神社に来訪者向けの大規模な駐車場があるという公式案内はなく、専用駐車場は期待しないほうが無難
- 山車と神輿が地区の道路を巡行するため、周辺道路は時間帯によって通行に影響が出る可能性あり
- 里の道は幅が狭い区間も多く、公共交通機関の利用が推奨される
あわせて立ち寄りたい周辺スポット
- 城前寺(曽我谷津592/下曽我駅から徒歩約5分):曽我兄弟の菩提寺。本堂裏手には曽我十郎・五郎兄弟、養父の曽我祐信、実母の満江御前の墓と伝わる4基の五輪塔が並びます
- 梅の里センター(下曽我駅のすぐ隣):梅を軸にした地域の中核施設。梅干しの販売コーナーもあり、お土産探しに便利です
- 曽我梅林(別所梅林・原梅林・中河原梅林):駅から徒歩15分圏内。秋は花こそありませんが、富士山と足柄平野を望む景色は変わらず気持ちのよいエリアです
- 曽我の里散策コース:下曽我駅を起点に、中河原梅林、瑞雲寺、宗我神社、城前寺などを巡る里コース(約5.5km/1時間30分)が小田原市によって整備されています
お宮入りの午前11時頃と、駅前での競演の午後3時頃のあいだには、数時間の余裕があります。
その時間を使って城前寺や梅林のあたりまで足をのばすと、「曽我兄弟の里」としての表情も一緒に味わえます。
秋の澄んだ空気のなか、遠くから山車のお囃子が聞こえてくる里歩きは、この日ならではの贅沢な時間です。
お出かけ前に確認しておきたいこと
宗我神社祭礼は、大規模な観光イベントではなく、地域に根ざした氏子の祭礼です。
そのため、詳細な進行スケジュールが事前に細かく公表されるとは限りません。
天候によっても進行が変わる可能性があるため、お出かけ前に小田原市の公式イベントページを確認することをおすすめします。
見学の際は、巡行の妨げにならないよう、また私有地に立ち入らないよう配慮したいところです。
千年近く続いてきた祭りに、そっとお邪魔させてもらう。そんな気持ちで訪れると、この日の曽我の里はきっと忘れられない一日になります。
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